県道84号線

路線名:名護本部線

起点:名護市東江
終点:本部町渡久地

総延長:20,931m
実延長:19,089m

通称
名護市商店街区間:名護十字路商店街、サングリーン商店街、シャッター通り

復帰前の状況
琉球政府道116号線


名護市内の中心部を通り、本部、海洋博公園に向かうメインルートです。

国道58号、名護消防署前交差点から、県道84号は分岐しています。


県道は、サンエー東江ショッピングセンター横を通り、名護市博物館の前で左に折れます。


左折するとすぐに、道の真ん中に生える大きな木が目に入ります。これが名護市の象徴、国指定天然記念物「ひんぷんガジュマル」です。


ひんぷんガジュマルは、現地を見ると、一見橋の真ん中に生えている様に見えるのですが、実際は、幸地川にかかる「あなだ橋」直後に有ります。


以下説明板からです。
「ひんぷん」とは屋敷の正面と母屋との間に儲けられた屏風状の塀の事で、外からの目隠しや悪霊を防ぐものと言われます。乾隆15年(1750年)具志頭親方蔡温(ぐしちゃんおやかたさいおん)は、当時の運河開通論と王府の名護移遷論議を鎮圧するため、三府龍脈碑を建てました。この石碑がひんぷんの様に見えることから「ヒンプンシー」と名付けられ、その隣に生育するガジュマルもいつしか「ひんぷんがじまる」と呼ばれる様になりました。
ガジュマル(Ficus microcarpa L.f )はクワ科の常緑高木で、屋久島以南の亜熱帯から熱帯にかけて分布し、沖縄では屋敷林、緑陰樹として広く植栽されています。漢名は榕樹で、幹はよく分岐して枝葉は四方に繁茂し、垂下する気根は地上に降りて幹となり広く美しい樹冠をつくっていきます。
ひんぷんがじまるは、推定樹齢280年〜300年、樹高19m、胸の高さでの幹周囲は10m、樹冠の広がりは長い所で直径30m、堂々とした容姿は市のシンボル、そして街のひんぷんの役割を担っています。ひんぷんがじまるの特異な景観は古くから衆目の的になり、写真におさまる周辺の様子で街の移り変わりを知る事もできます。名護の街の移り変わりをみてきたひんぷんがじまるは、まさに「市民の木」です。

近くにある「めおとデイゴ」。この木は縁結びの木らしいです。


ひんぷんガジュマルの横にある、ガジュマル公園にある徳田球一記念碑。以下説明よりです。
「徳田球一(1894.9.12-1956.10.14)は、名護、沖縄が生んだ偉大な思想家、政治家です。戦前、戦後の苦難の時代を、高い志をもって社会運動に奔走しました。大衆を心から愛した情熱の人、日本を変革する事に情熱を注いだ人物です。
徳田球一は、1894年この名護の十字路近くに生まれました。沖縄で中学校を卒業後、鹿児島の第七高等学校に進みましたが、すぐ沖縄に戻りました。23歳の時上京し、日本大学に学んで弁護士になり、社会主義運動に参加し、1922年の日本共産党結成に働きました。1928年 3.15事件で検挙され、敗戦までの18年間獄中にありました。戦後、日本共産党書記長、衆議院議員となり、「徳球・とっきゅう」の愛称で国民的支持と人気を得ましたが、1950年マッカーサー指令により追放され、中国に亡命しました。その60年の生涯は、名護、沖縄、日本の近代史の一面を身をもって表現しています。
この様な徳田球一の比類の無い人物と業績を私たち郷里の者が評価し、永く讃えるため、この碑を建立しました。」


すぐ近くには、「ホテルおおくら」があります。高級ホテルチェーンのホテルオークラとは関係ない模様です。


ひんぷんガジュマルから先は、商店街になっています。ガラーンとしていて人通りは少なく、人呼んで「シャッター通り」。
アーケードの形が、雪国の商店街の様です。


この商店街の一角に、財団法人名護市観光協会があります。パンフレットとか地図とか、地域情報を仕入れるには、まずここに立ち寄るのが一番でしょう。


名護市の中心、名護十字路です。ここから先、アーケードの形が変わります。


名護ショッピングモール「サングリーン」の愛称が付けられた商店街のアーケードには、ツタ状の植物が這っています。


おっと!こんなのが!!
「名護町大西」「R116」のコンクリート標柱です。名護市は、復帰前の1970年に、当時の名護町と、屋部村,羽地村,屋我地村,久志村とが合併して市制に移行していますので、この標柱は県道84号線が、琉球政府道116号線だった頃から残っているものですね。
残してあるのか、残っているのかは判りませんが、街や道路の歴史を物語る史跡として、今後も大切に残して欲しい物です。


県道84号線は、北部合同庁舎横から右折しています。広くない道ですので、メインのルートは、合同庁舎先の交差点になっています。


右折して、庁舎裏の道を進むと、一方通行の出口で車両進入禁止になっています。県道は、名護市街向け一方通行です。


こちらが一方通行の入口側です。


横に、広い新しい道が出来ているので、拡張する計画も無いのでしょうけど、いつも思うのですが、こういう場合、こちらの道の県道指定を解除して、新しい方を県道にすれば良いのにと思うのですが、ずっと県道のままで置いておくのは、何か理由があるのでしょうか。

市街地を過ぎ、周囲は住宅街になります。街路樹のある落ち着いた道です。

白銀橋交差点で、国道58号と交差します。

58号を過ぎた直後に渡る屋部川と、それに架かる白銀橋(しろがねばし)。


このは海洋博公園への観光ルートになり、観光関連施設が点在します。走る車も、「わ」ナンバーのレンタカーが多くなります。

沿線にある名桜大学です。

近年開学したばかの若い大学だそうです。ここからやんばるの将来を引っ張る新しい力が次々と巣立っていく事でしょう。


名桜大学周辺を過ぎると、山の中になります。


山を越え、集落が有り、観光施設が出てきて、また集落が有り、が繰り返します。

ハブとマングースのショーを売り物にしている所もあります。北部はパイナップルの産地だけに、パイナップルに関する施設が多い様です。


山深い所を走りますが、交通量は結構多いです。

山の間の、平地になった所にある伊豆味の集落です。今帰仁方面に至る県道が分岐しています。

交差点角にある、何となく気になるお店。

集落を越えると、再び山の中です。

満名川にかかる運立橋。

再度満名川を越える並里橋です。

この橋から先、家並みが本部中心部渡久地港まで続きます。

沿道の、本部町役場です。

本部の中心部、渡久地十字路近辺です。元々港を中心として発展した町だけに、結構沢山店が並んでいます。

渡久地港の奥に架かる渡久地橋。

渡久地橋から先は、渡久地港をまたぐ国道449号本部大橋を前に見ながら、渡久地港北岸を走ります。

モトブリゾートホテルの有る交差点で、国道449号にぶつかり、県道84号線は終わります。


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